このブログはポッドキャスト Back stange M3エピソード58(エクササイズ:セラピー?)の概要をブログにしています。ぜひポッドキャスト本編をご視聴ください。
本編はhttps://www.youtube.com/playlist?list=PLoe4L3-eXkv57rBqwI8TAuRs8ZZSTPvCk からご視聴いただけます。
日々のセッションの中で、私自身が強く感じている問題意識。それが「トレーニング」という言葉が持つ、少し偏ったイメージです。
よくクライアントさんから「セッションの後は良い意味で疲れた」「結構きつかった」という感想をいただくことがあります。しかし、それを聞いた周囲のご高齢の方などが「あそこはハードな筋トレをする場所なんだ」「自分のような年齢には合わない」と敬遠されてしまうという話を耳にすることがあります。
ですが、これは少し大きな誤解があるのですね。私たちが提供しているセッションの本当の価値と、「鍛えること」と「緩めること」の真実について、しっかりとお話しします。
1. 重い負荷はいらない。脳と神経をフル回転させる「複雑性」
M3では、バーベルやダンベルを担いで重いものをガンガン持ち上げるような、いわゆる一般的な筋力トレーニングは行いません。私たちが何よりも重視しているのは、関節の可動性を引き出し、普段動かさない方向へ体を動かす「負荷は低いけれど複雑性の高いエクササイズ」です。
普段使っていない筋肉や、サボってしまっている関節をピンポイントで動かすため、脳と神経がフル回転することになります。 「こんな方向に動かしたことがない」という未知の動きを体験するため、脳にとっては非常に強い刺激となり、これが「神経的なきつさ」として感じられるのですね。
つまり、筋肉を破壊するような肉体的な過負荷ではなく、神経系を活性化させるためのプロセスなのです。 パーソナルセッションですので全員に同じマニュアルを当てはめることは一切ありません。80代の方には80代の、50代の方には50代の体に合わせ、安全かつ最適な難易度をその都度プログラミングしています。
2. 「トレーニング(活性化)」と「セラピー(抑制)」の使い分け
私たちは、サボって弱くなっている筋肉を呼び起こして機能させるアプローチを「トレーニング」、逆に過剰に働きすぎてガチガチに緊張している筋肉を抑制して緩めるアプローチを「セラピー」と定義し、その時の状態に合わせて使い分けています。
例えば「膝が痛い」というお悩みがあったとします。 痛む膝の周りだけを無理に鍛えよう(トレーニングしよう)とすると、かえって関節への負担が増して痛みが悪化してしまうことがよくあります。 なぜなら、多くの場合、痛んでいる膝の隣にある「足首」や「股関節」が怠けてサボっていることが原因だからです。
サボっている足首や股関節を動かせるように再教育し、過剰に頑張って悲鳴を上げている膝を休ませてあげる(セラピーする)。この両方の絶妙なアプローチがあって初めて、体全体の連動性が美しく整うのですね。
3. アスレチックトレーナー(AT)としてのオールマイティな強み
世間一般では「スポーツトレーナー」と一括りにされがちですが、実際には治療家、カイロプラクター、マッサージセラピスト、理学療法士など、役割によって細かく専門分野が分かれています。
その中で、私が学び、臨床を重ねてきた「アスレチックトレーニング」という領域は、リハビリのような運動指導から、筋肉や関節への直接的な治療アプローチまで、双方の役割をカバーできる非常にオールマイティな強みを持っています。
プロのアスリートを対象とするイメージが強いかもしれませんが、複雑さを柔らかくし、負荷をその人の段階に合わせて調整すれば、一般の方や健康寿命を延ばしたいシニア世代の方々に対しても、全く同じ高い基準で自信を持って対応することができます。
4. 50年前の常識は、今日の非常識
体に関することは、一生を左右する大切な領域だからこそ、失敗が許されません。だからこそ、自分の思い込みや主観だけで判断せず、プロによる客観的な評価を受けることが極めて重要なのです。
例えば、1980年代には「燃えなくて素晴らしい奇跡の建材」ともてはやされ、世界中で大量に使われていたアスベストが、現在では健康被害のリスクから建築での使用が完全に禁止されていますよね。 医学や健康の常識もこれと全く同じで、40年、50年という年月が経てば、かつての常識が180度覆って非常識に変わることは日常茶飯事です。
「昔からこう言われているから」「本やテレビで見たから」という古い知識に依存するのではなく、今のあなたの体に本当に必要なアプローチは何なのかを、プロの客観的な視点を通じて常に正しくアップデートしていきましょう。
💡 今日のまとめ
* M3のアプローチは、重い負荷をかけるのではなく、脳と神経を刺激する「複雑性」を重視しているため、シニア世代でも安全に受けられます。
* 体を良くするためには、ただ鍛える(トレーニング)だけでなく、使いすぎている場所を緩める(セラピー)の使い分けが不可欠です。
* 健康や運動の常識は時代とともに変わるため、主観に頼らず、プロの客観的な評価と意見を参考にするのが最も安全な選択です。
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