このブログはポッドキャスト Back stange M3エピソード49(トレーニングついて考える)の概要をブログにしています。ぜひポッドキャスト本編をご視聴ください。本編はhttps://www.youtube.com/playlist?list=PLoe4L3-eXkv57rBqwI8TAuRs8ZZSTPvCk からご視聴いただけます。
「トレーニング」と聞くと、どのような光景を思い浮かべますか。 おそらく多くの方は、ジムで重いバーベルを担いで歯を食いしばったり、息が切れるほど走って汗を流したりする、ハードな肉体訓練を想像するのではないかと思います。
もちろん、そうした過負荷をかけて筋肉を肥大させる手法も、アスリートなどの特定の目的においては重要です。しかし、一般の方々が「いつまでも自立して軽やかに動ける体を手に入れる」ためには、ただがむしゃらに体に負荷をかけるだけの運動は、時に大きなケガのリスクとなって牙を剥きます。
今回は、脳のプログラムを根本から書き換える「真のトレーニング」の定義についてお話しします。
1. 脳の中にある「体の地図」をくっきりと塗り直す作業
私たちの脳は、頭頂葉という部分に「自分の体が今どのような形状で、どの関節がどの角度で曲がっているか」をリアルタイムに把握するための「ボディスキーマ(脳内の体の地図)」を持っています。
しかし、長時間のデスクワークや運動不足、あるいは過去のケガによって特定の関節を使わない生活を続けていると、脳内の地図からその関節のエリアがどんどんボヤけて、まるで霧がかかったように消え去ってしまうのです。
脳が自分の足首や背骨の位置を正確に把握できていない状態で、無理に負荷の高いスクワットなどを繰り返すと、脳は「危険だ!」と判断して関節をガチガチに固め、防衛反応(ロック)を強めてしまいます。 真のトレーニングとは、筋肉をいじめることではなく、**「サボっている感覚センサーを刺激し、脳内の地図の解像度を極限までくっきりと塗り直すこと」**にあります。地図が正確になれば、脳は安心してロックを解き、体は本来のしなやかな動きを取り戻すのですね。
2. 「難しすぎず、簡単すぎない」最適な難易度による運動学習
トレーニングで効果を出すための最大の鍵は、負荷(重さ)の調整ではなく、脳に新しい動きのパターンを学ばせるための「難易度(複雑性)」の調整です。
簡単すぎて何も考えずに動かせるメニューでは、脳は刺激を受け取らず、何の成長も起こりません。 逆に、動きが複雑すぎてグラグラと崩れてしまうようなメニューでは、脳は危険を察知してシャットダウン反応を起こし、代償運動を強めてしまいます。
その人の今のパフォーマンスの段階に対して、「ほんの少しだけ努力や集中を要するけれど、崩れずに美しくコントロールできる」という絶妙な難易度のストレッチゾーンを見極めて処方すること。 この繊細なアプローチこそが、脳の神経ネットワークを劇的に書き換え、動きの「質」を根本から高めていくための絶対的なルールなのです。
3. 動きの「質」を追求することこそが、一生動ける最大の資産になる
ただ回数をこなすだけの反復練習や、負荷を増やすだけのトレーニングは、サボっている関節を置き去りにしたまま、得意な筋肉ばかりをさらに働かせる代償運動を強化してしまいます。 これでは、やればやるほど怪我のリスクが高まってしまいます。
そうではなく、1回1回の関節の角度、Fascia(筋膜)の張り感、足裏の接地感覚といった「詳細なクオリティ」に徹底的にこだわり、丁寧な反復を重ねること。 この「質の高い反復」を通じて獲得したスムーズな体の動きは、年齢を重ねても決して衰えることのない、あなたの生涯の健康を支える最も強力な「資産」になります。 重さへの挑戦を一度お休みして、自分の体を自在に操るコントロールの楽しさを、私と一緒に学んでいきましょう。
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