【痛みの放置は危険?】時間が経てば治る「急性ケガ」と、時間をかけるほど悪化する「慢性痛」の境界線

このブログはポッドキャスト Back stange M3エピソード47(時間が治すとき、治さない時)の概要をブログにしています。ぜひポッドキャスト本編をご視聴ください。本編はhttps://www.youtube.com/playlist?list=PLoe4L3-eXkv57rBqwI8TAuRs8ZZSTPvCk からご視聴いただけます。


「足首を捻挫したけれど、放っておけばそのうち治るだろう」 「腰がずっと痛いけれど、痛みを騙し騙し過ごしていればいつか消えるはずだ」
不調や痛みを感じたとき、私たちはこのように「時間」がすべてを解決してくれると期待しがちです。 しかし、人間の体において、時間が経てば自然と良くなっていくケースと、時間を置けば置くほど状況が泥沼化し、回復から遠ざかってしまうケースが明確に分かれているのですね。
その決定的な境界線と、痛みをこじらせないための正しいステップについてお話しします。

1. 生理的な時間経過で組織が修復される「急性のケガ」
捻挫、打撲、あるいは骨折といった突発的なアクシデントによる「急性のケガ」は、傷ついた靭帯や筋肉、骨という物理的な組織を修復するために、絶対に「時間の経過」が必要です。
体が持っている自然治癒力が働き、炎症を繰り返しながら新しい組織が合成されるプロセスには、生理的なスケジュールが厳密に決まっているのです。 この時期に、焦って無理に動かしたり刺激を与えすぎたりすることは逆効果であり、適切な固定をしてしっかりと時間を置くことこそが、最も正しいアプローチになります。この場合の時間は、私たちの最大の味方です。

2. 脳が痛みのルートを記憶してしまう「慢性的な不調」
一方で、3ヶ月以上もだらだらと続くような「慢性的な痛み」に関しては、いくら時間を置いても自然に治ることはありません。それどころか、時間をかければかけるほど、痛みはどんどん体と脳に深く定着してしまいます。
なぜなら、脳の中にある「痛みをキャッチする神経の通り道」が、何度も痛みの電気信号を受け取ることでどんどん強化され、過敏にカスタマイズされてしまうからです。 物理的な組織の傷はとうに修復されているはずなのに、脳が「痛みのパターン」を記憶してしまい、わずかな皮膚のこすれや軽い関節の動きに対しても、「痛い!」と誤認してアラートを出してしまうのですね。
また、痛みをかばう不自然な「代償運動」が脳に新しいスタンダードな歩き方としてプログラミング(運動学習)されてしまうため、何年経っても本来のスムーズな動きを取り戻せなくなってしまいます。慢性痛においては、ただ待つだけの時間は完全に「敵」に変わるのです。

3. 脳のプログラムを書き換える「運動学習」の正しいステップ
慢性化した痛みのロックを解除するためには、時間任せにせず、動きの教育プログラムを積極的に取り入れて、脳の記憶を上書きしてあげる必要があります。
怪我や緊張によってサボってしまっていた関節の周りの感覚神経を優しく刺激し、脳に「ここは安全に動かせるスペースなんだよ」と少しずつ体験させていくのです。 低い負荷から始めて、脳の防御反応(警戒センサー)を絶対に作動させないように注意深く正しい動きを繰り返すことで、オセロがひっくり返るように、脳のロックが解除されていきます。
「時間が解決してくれる」という幻想を捨て、今の自分の痛みがどちらのフェーズにあるのかを客観的に見極め、適切なアプローチを選択していきましょう。


ポッドキャスト更新中

セッションで行うエクサササイズの背景、セッション中ではあまり話していない健康の事、個人的な物の捉え方などをお伝えするおよそ15分のポッドキャスト

*10回に一回(1の付くエピソード)はM3ホリスティック栄養学の話をしています

こうゆう想いでやってますというのをお伝えしています