平均寿命と健康寿命にある10年のギャップ。70代から始める、いつまでも自立して歩くための「10秒」の選択

このブログはポッドキャスト Back stange M3エピソード60(介護の話)の概要をブログにしています。ぜひポッドキャスト本編をご視聴ください。本編はhttps://www.youtube.com/playlist?list=PLoe4L3-eXkv57rBqwI8TAuRs8ZZSTPvCk からご視聴いただけます。
先日、お盆の時期にお墓参りに行ってまいりました。ご先祖様の墓石を眺めていると、多くの方が80代で亡くなられていることに気づいたのですね。こうした光景を目にすると、これまではどこか自分にはまだ縁が遠いものと思っていた「老化」や「介護」というテーマが、いよいよ私自身の人生にとってもリアルなものとして近づいてきているのだと深く実感させられます。
皆さんは、ご自身の「人生の後半戦」をどのように過ごしたいと考えていらっしゃいますか? 今回は、誰もがいつかは直面する「介護」の現実と、そこを乗り越えていつまでも自立した体を維持するための、とてもシンプルで強力なアプローチについてお話しします。
1. 平均寿命と健康寿命に横たわる「10年のギャップ」
日本の統計データを見てみると、現在の平均寿命は男性が80代前半、女性が80代後半となっています。しかし非常に残念なことに、この「平均寿命」と、心身ともに自立して元気に過ごせる「健康寿命」との間には、**約10年という大きなギャップ(不健康な期間、または介護が必要な期間)**が存在しているのが現実です。
この介護が必要になってしまう原因には、実は男女で大きな違いがあります。
男性の場合:脳卒中や心筋梗塞といった「血管系・内脳疾患系」の問題がきっかけになることが多いです。
女性の場合:膝の痛み、骨折、そこから活動量が減ることで認知症へ発展してしまうといった「運動器(筋骨格系)」の問題が圧倒的に多いです。
ですが、これらはどちらも、日頃からの「適切な運動」によって予防や改善が十分に可能なものばかりです。私たちの行う運動指導という仕事は、まさにこの「10年のギャップ」を埋め、世の中の方々が最後まで自立して生きるために、ものすごく重要で求められている役割なのだと、改めて背筋が伸びる思いがいたしました。
2. 「走れない」を崩す、10秒だけのインターバル
健康のために運動や食事管理が大切であることは、おそらく誰もが「頭では知っている」はずです。でも、いざ行動に移そうとすると、「仕事が忙しいから」「運動は苦手だから」と、やらない理由を探してしまいがちです。
例えば、普段運動をしていない方に「健康のために走りましょう!」と提案すると、ほぼ100%「いや、私は走れません. 走るの嫌いですし…」と拒絶されてしまいます。
ですが、そんな方でも日常の中で、電車に遅れそうになった時や、信号が変わりそうな時には、無意識のうちに「小走り」をしています。つまり、「走れない」のではなく、「20分も30分も走り続けることができない」だけなのです。
だったら、まずは**「10秒だけ走って、残りの50秒は歩く」**という、極小のインターバルから始めてみればいいのではないかと思います。 10秒なら誰でも走れます。そして、それができるようになったら次は12秒、その次は15秒と、少しずつ負荷を増やしていけば、体は確実にその刺激に適応し、成長していきます。
私が高校球児だった頃、監督から指導された忘れられない言葉があります。
「3年生の最後の大会を迎えるまで、お前たちにはあと850日ある。だがな、明日急に野球が上手くなるわけじゃない。その850日の中で、1日1日、今何をするかでしか成長は決まらないんだ」
当時はその言葉の本当の深みが分からず、ただ厳しい練習に反発していましたが、20年以上が経った今、その言葉の意味が山びこのようにじわじわと胸に響いてきます。 快適な場所(コンフォートゾーン)からほんの少しだけ抜け出し、ちょっとした努力を要する「ストレッチゾーン」に毎日1ミリでも身を置くこと。この地味な積み重ねこそが、未来のあなたの体を大きく変えていくのです。
3. 体が「悪くなったのと同じ角度」でなだらかに戻していく
「よし、今日から甘いものを一切やめて、毎日1時間走るぞ!」と突然生活をガラリと変えようとする人がいますが、これは絶対に長続きしません。急激な変化は、ダイエットのリバウンドと同じように、必ず激しい「揺り戻し(反動)」を伴うからです。
私たちの体は何年も、あるいは何十年もかけてゆっくりと今の状態に変化してきました。であるならば、良くしていくときも、「体が悪くなっていったのと同じような、なだらかな角度」で少しずつ良くしていくのが、体にとっても理性にとっても、一番無理のない自然なアプローチです。
そのための第一歩として、まずはご自身の現在の生活習慣を次の4つのバケツに客観的に分類・整理してみることをおすすめします。
新しく始めるもの:1日10秒の小走りを始める
完全にやめるもの:寝る直前のスマートフォンの閲覧をやめる
少し増やすもの:毎日の水分摂取量をコップ1杯分増やす
少し減らすもの:間食のチョコレートの量を半分に減らす
一気に全部をやろうとせず、小さな変化を「これならできる」という確信を持って積み重ねていくこと。それが自動運転のように「習慣」になってしまえば、こちらの勝ちです。
4. 年齢を重ねるほど爆発的に高まる「健康の資産価値」
10歩走ること、スムーズに階段を上り下りすること。これは10代〜30代の若者にとっては「当たり前」のことで、誰もそこに特別な価値を感じません。
しかし、これが70代、80代、90代になって同じようにできるとしたら、どうでしょうか。 その価値は、若者のそれとは比べものにならないほど、計り知れない「資産価値」へと跳ね上がります。
私のクライアントさんの中に、70代半ばにして「ヒップホップダンス」に挑戦し始めた素敵な女性がいらっしゃいます。最初は周りに合わせるために一生懸命振り付けを覚えるところからのスタートでしたが、彼女たちが元気に踊る姿はメディアや地元の自治体でも大きく取り上げられ、大変な話題になりました。
これは本当に素晴らしいことです。 私たちのようなトレーナーがどれだけ言葉で「運動しましょう」と叫ぶよりも、同世代の方が実際に元気に、楽しそうに体を動かしている姿を目にする方が、周りの方々にとっては圧倒的に強力なインスピレーションになります。 高齢になってもしなやかに動ける体を持っているということは、自分自身が元気に生きられるだけでなく、「周囲に希望と刺激を与えるギバー(与える人)になれる」という、とてつもない価値を秘めているのです。
5. 健康は、あなた一人だけの問題ではありません
「自分の体なのだから、自分が不健康になろうが、将来介護になろうが勝手だ」 もしそんな風に考えている方がいたら、それは少し寂しい誤解だと私は思います。
なぜなら、自分が病気や怪我で倒れてしまえば、大切な家族の時間を奪い、多大な精神的・身体的・経済的負担をかけることになってしまうからです。逆に、親御さんや身内が介護状態になれば、あなた自身の生活や自由な時間も大きく制限されることになります。
健康問題というのは、決して「個人の自己満足」で完結するものではありません。**自分を大切にし、健康であり続けることは、周りの大切な人たちの人生や時間を守るための「最大の利他(プレゼント)」**でもあるのです。
40代半ばを迎えた私自身も、20代の頃のように「自分さえ良ければいい、自分だけが強くなればいい」というテイカー(受け取る人)の視点から、得た知識や健康の価値をいかに周囲へ分け与え、循環させていけるかというギバー(与える人)の視点へと、人生観が大きくシフトしてきたことを感じています。
💡 今日のまとめ:人生の座右の銘
高校時代からずっと心に残り、今の私の活動の原点であり、座右の銘になりつつある言葉を最後にお贈りします。
「知ったら、やる。やらない限りは、知らないのと一緒である」
健康に良いこと、体に良い習慣。せっかく素晴らしい知識を手に入れても、行動に移さなければ、その価値はゼロのままです。 今日、このブログを読んだあなた。 ぜひ、今この瞬間から「10秒だけ走ってみる」「コップ1杯の水を飲む」「姿勢を正してみる」といった、本当に小さな一歩を「やって」みませんか。
その小さな選択の積み重ねが、10年後、20年後のあなたと、あなたの周りの大切な人たちの未来を、間違いなく明るく照らしてくれます。
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セッションで行うエクサササイズの背景、セッション中ではあまり話していない健康の事、個人的な物の捉え方などをお伝えするおよそ15分のポッドキャスト

*10回に一回(1の付くエピソード)はM3ホリスティック栄養学の話をしています

こうゆう想いでやってますというのをお伝えしています